Summary
タテ型ミキサの基礎知識:原理、液体添加、コーティング
タテ型ミキサは、縦型容器を備えたバッチミキサです。1本のミキシングツールによって原料を下方から上方へ搬送し、上昇した原料をミキシングツールの垂直軸に沿って、重力により自然に下降させます。この三次元循環流により、エネルギー投入量とせん断負荷を抑えながら、バッチ全体をくまなく混合できます。各成分のかさ密度、粒径、流動特性が大きく異なる場合にも対応できます。
槽内全体を効率よく循環させるため、この構造は液体添加に特に適しています。スプレーランスを用いた噴霧方式により、循環中の原料を均一に湿潤させ、局所的な過湿潤を防ぎます。仕上がりを左右するのは、添加速度、液滴径、ならびに添加量と粉体の吸液能力との比率です(粉体湿潤、粉体加湿)。凝集塊が発生した場合は、追加の解砕処理によって分散できます。
コーティングも同じ原理に基づいており、粒子表面を規定された被覆層で覆います。この場合、混合時間が被覆層の厚さと均一性を左右します。装置選定では、バッチ容量、含水率、付着傾向、要求される被覆度が重要な基準となります。
選定マトリクス
| 基準 | 確認事項 | 選定への影響 |
|---|---|---|
| 液体添加率 | 液相はバッチ重量の何%を占めるか。 | 数%程度までは、循環している粉体表面への添加で対応できます。それを超える場合は、添加位置、噴霧パターン、添加時間を個別に設計し、試験で検証する必要があります。 |
| 液体の粘度と温度 | 液体は添加時の温度で噴霧できるか。 | オイルや油脂によっては、温度調整された配管とノズルによる定量供給が必要です。適切に調整されていない場合、均一な噴霧パターンが形成されず、大きな液滴によって局所的な過湿潤が生じます。 |
| 添加位置 | 循環中の原料、製品流、容器壁面のどこに噴霧するか。 | 液体は必ず、動いている原料に添加します。容器壁面や静止した粉体層への噴霧は、付着や凝集塊の原因となります。 |
| 担体粉体の吸液能力 | 粉体は付着性が生じるまでに、どの程度の液体を保持できるか。 | バッチ当たりの最大添加量と許容添加速度を決定します。この限界値は計算ではなく、試験によって特定します。 |
| 凝集塊の形成 | 原料は湿潤後に凝集塊を形成しやすいか。 | 解砕用の追加ツールが必要か、ミキシングツールによる循環だけで十分かを判断します。 |
| コーティングの目標状態 | 粒子を均一に被覆するのか、液体を単に混合するだけでよいのか。 | 均一な被覆には、すべての粒子が噴霧領域を通過する時間を一定にする必要があります。単純な混合では、この条件は求められません。 |
| せん断感受性 | 形成した被覆層が、再び摩耗・剥離する可能性はないか。 | ミキシングツールの速度を低く設定し、添加後の混合時間を制限します。過度に混合すると、被覆層が摩耗します。 |
| 粉じん・微粉量 | 湿潤時に粉じんが発生するか、微粉が液体によって結合されるか。 | 微粉を意図的に結合するとともに、プロセス制御によって新たな微粉の発生を防ぎます。 |
| 油脂添加後の洗浄 | 乾式洗浄と湿式洗浄のどちらを、どの頻度で実施するか。 | 油脂性の残留物には湿式洗浄が必要です。そのため、ノズルとスプレーランスへのアクセス性も重要な選定基準となります。 |
| 少量バッチ運転 | 装置を部分充填でも運転するか。 | 噴霧パターンと添加速度は、満量時だけでなく、最小充填率でも適正でなければなりません。 |