追加製造技術のための粉末材料の製造:化学合成物質、セラミックス、金属粉末
ディプロム工学の資格を持つルドガー・ヒッレーケ氏は、有限会社amixon の取締役員であり、技術部門の責任者です。
3Dプリンター、ラピッドプロトタイピング、あるいは、追加製造技術といった名称はどれも同じ製造技術のことを指しています。これらは、三次元の部品を製造する際に重力とは逆方向に積層してゆく製造技術のことです。積層造形にはコンピューターによる3D-CAD-部品データのモデリングが必要です。積層時、基本的に、大抵の場合はレーザー照射などのエネルギー源を使用して粉末を部分的に焼結してゆきます。引き続き、新たに粉末を供給することで、セットされた位置で再びレーザー照射による焼結が始まり、下に構築された層に結合されます。材料には金属、化学合成物質、セラミックス、合成樹脂、炭素、黒鉛が使用されます。さらに細胞生物学の研究所においても、追加製造技術による組織や臓器の作製が研究されています。その際、基本となるのは完全に異なる組織構造です。
現在行われているインダストリー4.0(第四次産業革命)をどのように進めてゆくかという議論において、3Dプリンターは興味深いものです。そして、今後デジタル化が進む中で3Dプリンターが他の追加製造技術と組み合わされることで、ものづくりが劇的に変わる製造革命が起こるでしょう。この技術において、3つの達成されるべきものがあります: 複雑な幾何学構造、少ない部品数、そして高い特殊性です。これは、例えば、複雑な機械の補給部品に欠陥がある際の修理にも当てはまります。前もって三次元で設計された部品は直接そのデータを使用することで造形されます。従来通りの切削による製造方式に対し、装置、鋳造型、製造に特化した道具は必要ありません。部品量の節約、あるいは材料の不足に応じて、材料を取り除くプロセスが必要ですが、その際に資金投入を減らすことができます(出典: VDI Zentrum Ressourceneffizienz) 。この製造プロセスにおいて、この製造方法は材料の機械的性質を生み出します。さらに、従来の製造方式では不可能だった複雑な構造を実現できます。それゆえに、3Dプリントではパーツの複雑な幾何学的構造とそれに伴うパーツ数の減少により、経済性が増します。
3Dプリントは様々な産業、工業部門で使用されています。機械模型、自動車模型、建築模型などの古典的なパーツ作製の他にも、人間医学と歯科学におけるプロテーゼの作製などが可能です。この技術はバイオニックデザインから得られた中間結果の迅速なモデリングに適しています。特に、植物繊維の強度構造を近代的な支持構造に利用することが試されています。
まず、パウダーベッドに高密度の粉末を満遍なく敷き均します。エネルギー投入量を調整することで、粒子体を目的とする造形物の形状に溶融していきます。オーバーフローした過度の量の粉末は除去され、さらなる造形作業に再利用する為、ふるいにかけられます。粒子の安定性、大きさ、積層の厚さ、粉末の流動性は十分に保たれる必要があります。その一方で、経済性を考慮し、迅速な作業の繰り返しが行われなければなりません。この工程には、十分な空気圧が必要です。しかし、これには高い運搬速度が前提であり、磨耗の原因となる可能性があります。投入されたポリマー粉末は最善の状態でなければなりません。
類似した問題は、金属粉末を用いた3Dレーザー焼結法でも起こります。 パウダーベッド内の粉末の積層はスパチュラで造形されます。この工程には、しばしば時間がかかります。投入された粉末の流動性はパウダーベッド内の粉末の均質性を大きく左右します。粉末には、可能な限り流動性が保たれる必要があります。流動性には、球体の粒子形状と密な粒度分布が要求されます。部品に、平ら、あるいは線状のボイドが発生するのを防ぐために、塊は除去されるべきです。スパチュラや作業プラットフォームへの付着は造形の妨げになりますが、回避するのは困難です。投入される金属粉末は大抵の場合、10 µm以下の粒径であり、凝集力があります。
実際、加工の条件に合わせるために、粉末にナノレベルの添加剤が上塗りされます。この工程は、精密な混合装置によって、あるいは流動層造粒法の中で行われます。このようにして付着や意図しない固結が回避され、粉末の流動性が改善されます。粉末製造はオートメーション化されています。
混合機、真空乾燥機、合成・反応装置
これらは金属工学、そしてポリマー加工において重要な役割を果たします。コーティング材の溶解力が弱い場合、あるいは浮遊液であり、粉末と精密混合される必要がある場合には、各粒子にナノレベルのコーティングを行います。これは、粉末が全体的に湿ってしまうことを意味しています。そして各粒子が完全に使用される必要があります。引き続き液体の段階から粒子を乾燥させることで、各粒子に均一なコーティングが行われます。この乾燥工程は、真空状態の元で特に迅速に、慎重に行われる必要があります。
amixon®円錐型混合乾燥機/反応装置における徹底した分散混合
このようなプロセスの解決策として、縦型の混合乾燥装置の使用を推奨します。この装置では、中心部に設置された螺旋状の回転翼を回転させて混合します。装置内で原料を上昇させ、重力の作用で再度中心部へ落下させることを繰り返しながら、原料の完全な分散混合を行います。分散は、少ない回転数と粒子への最小限の剪断力の下で、完全に省スペースで行われます。全粒子が相対動作を持続的に繰り返し、混合容器内全体を流動します。流動段階での蒸発は、粉末が熱せられることで促進されます。二重構造になっているのは円錐の混合装置本体のジャケットだけではありません。攪拌翼、アーム、螺旋状回転翼も二重構造になっており、熱媒体(熱媒油、温水、蒸気)を密閉式のシステム内で循環させます。
ほぼ100%に到るまでの全量排出
かき混ぜなしでの理想的な装入は、正確な装入量と品質保証の面においても非常に重要になります。こうした要求のほとんどが、ここに記載されている装置内で満たされます。円錐型の混合容器と中高の構造になっている螺旋状回転翼により混合物の全量混合・排出を行います。
時折、ごく少量の二酸化ケイ素のような軽度の流動化剤を150g/dm3の仮比重、10µm の粒子径、350㎡/gの表面積で均質に、そして慎重に混合します。実際には、軽度の分留の浮上が起こる可能性があります。そうなると、混合の進行は大幅に妨げられます。そのため、この混合は迅速にそして非常に慎重に行われる必要があります。なぜなら流動化剤は滑らかに、そして均質に混合されている場合にのみ効果を発揮するからです。混合時にすり潰されるようなことがあってはなりません。この点に関しては、実証試験を行う際に、amixon®社が37年間で培った経験を活かし、対策を講じます。これは例えば、35tの金属粉末にたった100gのナノレベルで分散したカーボンブラックを均等に混合する場合にも当てはまります。
セラミックスのコーティング
特別なセラミックスのコーティング技術をこの混合装置 / 混合乾燥装置に組み込むことが可能です。セラミックスのコーティングにより、混合中の粉末の金属摩耗を防ぐことができます。特に粉末に研磨作用があり、混合装置の摩耗を早める場合にも、このような対策が講じられます。amixon® の製造装置のほとんどは、様々な分野の顧客からの要求・要望を満たすために、部分的に微細な、且つ決定的な調整が行われている試作モデルです。機械の製造者と共に議論を重ね、顧客のハイレベルな要求にも対応することで、消費者であるエンドユーザーにご満足いただいています。その際、守秘義務の厳守を徹底いたします。