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ミューズリ-の製造:消費者からの高い要求と課題

ミューズリなしで1日は始まらない

ミューズリは、健康を意識したオーダーメイドの食事として、無くてはならないものになっています。 その配合と調理方法は千差万別です。 多種多様な原材料の混合にはどのような課題が伴うか、どのようにすれば理想的なミックスが出来上がるか。伝統的な有機食品製造業者の一つであるBauckhof Mühle社がその秘密を語ってくれます。

どのような食事が健康的でトレンドを意識していると言えるでしょう。 それは、ビタミン、ミネラル成分、食物繊維、タンパク質を含む一方、脂肪と糖分がわずかで、その代わりに非常に身体に良い炭水化物が含まれている食事です。 さらに、忙しくて、過大なストレスのかかる現代社会における毎日の食事は、いつでも食することができ、長期間保存可能で、素早く調理できると同時に、健康的で、できればパフォーマンスを向上させるものが望ましいと言えます。

こうした要求を瞬時に満たすのがミューズリです。 いつでも手に入り、賞味期限が長く、すばやく調理できます。 原材料を見れば、健康的で、まさに本来あるべき食事であることがわかります。 満腹感が長く続く上、多くの貴重な栄養素を吸収できます。 そして忘れてはならないのは、ミューズリそのものの美味しさです。甘味、塩味、とろみ感や歯ごたえがうまく調和しています。 ただし、味覚が十人十色であるのと同じように、ミックスの内容は製品によって大きく異なります。 それでも、配合できる原材料が豊富であるため、オンラインで最低1個からの注文が可能なオーダーメイドミューズリミックスほど「マスカスタマイゼーション」に適した食品はまずありません。 食品小売業における昨年のミューズリ販売高は、4億3,900万ユーロにも上りました。

健康は食にあり

現代の消費者が重視するポイントは、摂取する食事の内容だけではありません。 原材料の産地にもこだわります。 サステナビリティ、地域産物の支援を通した環境保護、優れた品質の原材料等はいずれも、洗練され、健康的な食事のトレンドの一環です。 スーパーマーケットの棚に陳列されている多くのミューズリの含有原材料リストを見ると、驚くべきことに、製品の多くがD-グルコース、ブドウ糖、サッカロース、マルトデキストリン、転化糖シロップ等の、工業的に加工された糖類を含んでいることがわかります。 またパーム油としてグラノーラに含まれる脂肪分もトレンドにはマッチしません。パーム油は、多くの場合、原生林を伐採した跡の巨大なアブラヤシ農園で生産されるからです。

こうして見ただけでも、オーガニックミューズリの販売率が、環境と品質に対する消費者の意識の高まりとともに上昇するのは当然の成り行きと言えます。 ここでミューズリの原材料ですが、健康的とされるのは「オーガニック」であることだけではなく、ベストなのは地域産かつ「オーガニック」であることです。

まさにこの点を追及しているのが、Bauckhof Mühle(バウクホーフ・ミューレ)社です。 Bauck社ほど、オーガニックかつサステイナブルな食品生産を重視する食品メーカーはなかなかありません。 現在のBauck有限会社の歴史は1969年にさかのぼり、バイオダイナミック食品の販売会社として設立されたのがその前身です。 Bauck社の多くの製品は、その基準が多数のオーガニック認証基準よりもはるかに厳しいデメタ認証を獲得しています。 ただしオーガニック協会も、その規格に厳格な栽培加工規則を既に定めています。 また、欧州連合のオーガニック認証や六角形のドイツBio認証が標準的に表示されていれば、それだけで使用される穀物が無農薬栽培であり、無農薬のままミューズリに配合されている証となります。

つまり、Bauck社のミューズリは、胃だけではなく良心も満足させてくれるのです。 そのために消費者は、他社に比べて多少高くてもBauck社のミューズリミックスを積極的に選びますが、その代わりに他社のインスタントミックス食品とは一線を成するような、感覚や味覚における高い品質を期待しています。

味が肝心

地域産の穀物(特にオート麦)やその他の地域産の高品質原材料と、地域で栽培できないけれど100%オーガニック品質の穀物を選択することが、高品質ミューズリが人気の高い朝食メニューになるための条件の1つです。

2つ目の条件は適切な混合です。これには2つの意味があります。 Bauckhof Mühle社では、自社の製品開発部が原材料の最高品質と、多種のミューズリを最高に美味しくするために尽力しています。 そして新しいミューズリミックスも何度も作り出されています。

ついては、消費者にミューズリの美味しさを味わってもらうには、このミックスが正しい配合率でスプーンに載ることが重要となります。 これを達成するには、製品の全含有原材料が適切に混合される必要があります。 このような理由から、Bauck社の製造工場の業務には、amixon®混合機が採用されています。

多様な成分を迅速かつ優しく混合

多くの場合オーガニック品質の自然製品とは、オート麦フレーク、スペルト小麦フレーク、粟フレークをベースに、レーズン、ナッツ類、チョコレートチップ、ドライフルーツ類、フリーズドライフルーツ類等さまざまな素材を正確に定量し、できる限り傷付けないように混合したものを指します。

そのため混合品は、わずかな原材料からなる基本のミューズリミックスから、何10種類もの原材料を多様に組み合わせたバリエーション豊かなミューズリミックスまでさまざまです。 したがって、特に装入する原材料の形状と構造がメインの混合工程段階で変わってはならないため、ミューズリを適切に混合するのはプロセスエンジニアリング的に多大な困難を伴います。

ミューズリやシリアルの混合作業がわずか10~30秒で終わるのは、珍しいことではありません。 このように混合工程が極めて短時間であり、結果的に優しいため、例えばミューズリに含まれる傷付きやすい含有原材料の粒子構造が最大限に維持されて、消費者に優良品質が届けられます。

ここで採用されているのは、amixon®精密混合機、中でもタテ型二軸混合機HM型です。 混合機には同じ方向に回転する2本の螺旋形ミキシングツールが付いています。その基本的な機能原理は、まず周辺にある混合原料を上方に混合分散すると共に、重力を利用して中心部に下向きの流れを発生させることです。 この三次元流動によって、実践できる最善の、技術的に理想的な混合物が得られます。

混合工程は、この技術的にデッドスペースのないamixon®混合機の内部で、高い再現率で実現されます。さらに、混合槽の装入率が公称容量の15%から100%の間で変動しても、混合物の品質を損なうことはありません。

製造時のデリケートな業務: 排出と洗浄

ただし、非常に短時間で高精度の混合だけではなく、排出プロセスにも留意しなければなりません。 排出でも、できる限り製品を傷付けず、槽内残留がなく、理想的には全量排出が求められます。

amixon社特許取得製品SinConvex®ミキシングツールは、Multi-Plane®ツールを特徴としており、これがゆっくり回転を続ける間、底面にある1つまたは複数の大口径排出口が開くようになっています。 その結果、製品が最適に流出し、前述の要求性能が達成されます。

最後に、混合機に付いている大きく衛生的な点検口からは、人間工学に則った手動によるドライ洗浄を行えます。 点検口はCleverCut®法で製造されています。 ドアに付いているガスケットが混合機に密着するため、デッドスペースがほとんどありません。 この構造は、長期間にわたりガス漏れがなく、耐塵性と耐湿性に優れます。 点検口は、KwickKlamp®ロックを手動操作して開くようになっています。 工場が電力系統から遮断された場合に限り、電気機械式の安全ロック機構が解除されて点検口が開きます。

ドライ洗浄に代えてウェット洗浄も行えますし、全自動洗浄システムも希望に応じて導入できます。

amixon®混合機は、EHEDG(欧州衛生工学設計グループ)とFDA(米国食品医薬品局)の規定に適合しており、中でもシリアルやミューズリミックス、ティーミックス、スパイス、栄養補助食品、香料等、高品質で壊れやすい粉状物質に対する高い衛生的調製要求事項を満たしています。 このほか、GMP規格の全要求事項にも適合しています。

amixon®精密混合機はこの他にも多数の特性を備えており、消費者に向けた個別配合から、企業間取引用の大型ロットに至るまでミューズリの製造をうまく管理できるようになっています。

Bauck社におけるミューズリ混合チェックリスト

 

  • 混合機はごく短い混合時間で理想的な混合物を生成できるか。
  • 製品に非常に優しい混合プロセスが保障されているか。
  • 装入率を15%から100%まで変えることが可能で、変えても混合物の状態は変わらないか。
  • 99.98%以上の効率的な残留原料排出率を達成できるか。
  • 最高の衛生基準が維持されているか。
  • デッドスペースなく閉鎖可能で、長期間にわたりガス漏れなく耐塵性が保持される大口径の点検口が付いているか。
  • 混合槽は、ドライ洗浄とウェット洗浄を選んで洗浄できるか。true

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図1: amixon®二軸混合機の三次元フロー

図2: ミューズリ混合向けHM 2000

 

背景情報/製品情報

ミューズリの歴史

1900年頃、スイス人の医師で食事改革者でもあったマキシミリアン・オスカー・ビルヒャー=ベンナー医師は、自身が運営するチューリヒベルクのサナトリウム「Lebendige Kraft(活力)」で、療養者の元気回復のためにリンゴ入り栄養食を給仕していました。 現在では、これがミューズリの始まりだと言われています。 スイスドイツ語で「d Spys(トゥ・シュピーズ)」と呼ばれる未調理の食事は、当時は、ふやかしたオート麦フレークとすり下ろしたリンゴ、ナッツ類、レモン汁、加糖コンデンスミルクを混ぜ合わせたものでした。 これは「Birchermues(ビルヒャーミューズ)」の名の下、消化の良い夕食として給仕されました。

1940年代になると、もう一人の完全栄養食パイオニア、ヴェルナー・ゲオルク・コラト教授が現れました。彼のお陰で、この穀物ベースの食事がさらに発展し、1950年代から1970年代にかけて、インスタント食品としてスイスの家庭の朝食の食卓に浸透しました。 ミューズリは当初、健康食品店で販売され成功を収めました。 現在ではスーパーマーケットの陳列棚の全段が、このインスタント穀物種子類ミックスで埋め尽くされています。